【本格お直し編】下駄のハマ(歯)が外れた場合
下駄のハマ(歯)、ぽろりと外れてしまったことはありませんか?
長年踊りに携わっていると、その場面に遭遇したり、実際に経験される方も多くいらっしゃると思います。
目次
下駄のハマが取れるとは?
そもそも、下駄のハマが取れるとはどういうことか???
はじめてこの現象に遭遇された方は、とても驚かれることと思います。
不良品などではありませんのでご安心ください。
「ハマがどうしてとれるのか?」
気になる方は、別ページにてご紹介しております。
利休下駄の構造のご紹介はこちらから。
↓
本日は、本格的なお直し編として『ボンド付け』の方法をご紹介させていただきますね。
出演直前に下駄のハマがとれた!!!応急処置方法が知りたい!!
という方は、こちらのブログをご参照ください。
↓
下駄のハマどれ『ボンド付け』の方法
・用意するもの
・木工用ボンド
・ボンド用のヘラ
必要なものは、たったこれだけ。
・ボンド付けの手順
①ハマの部分にボンドを付けていきます。
ボンドの量は大体写真くらい。
木の地肌が見えている部分に塗っていきます。
表側、裏側、てっぺんの部分の3か所です。
②ヘラでボンドをのばします。
3か所すべて、ヘラでまんべんなくのばしていきます。
③下駄台に差し込みます。
下駄台とハマがずれないように、調整しながら差し込みます。
※瞬間接着剤だとこの調整がやりにくいので、木工用ボンドがお勧め◎
④はみ出たボンドを軽く拭き取ります。
木工用ボンドは乾くと透明になるので、拭き取らずそのままでも大丈夫ですよ◎
万一、手ではめられない場合は、少し差し込んだ状態で、床などに叩きつけます。
※ハマが欠けないように注意。
※手ぬぐいやハンカチなどを床に敷き、その上で叩きつけるとより安心です。
※台とハマがずれないようにだけ慎重に。
⑤30分ほど乾かして、完成です!!
これだけで、下駄台とハマの隙間をボンドが埋めてくれるので外れません。
なかなかないとは思いますが、もしそれでも隙間があり、かぱかぱなるようであれば、ティッシュをかませてください。
ぜひお試しくださいね。
下駄自体を水に浸けるは逆効果!?
巷でまことしやかに受け継がれている
「新品の下駄を水に浸けこむ」という方法・・・
実は、これ・・・逆効果なのです。
確かに、水に浸けこむことで「下駄台」と「ハマ」の両方の木が膨張するため、最初の内はかなり効果的です。
しかし、乾燥すると木は収縮し、痩せます。
痩せると隙間ができ、結局はぽろりと外れてしまうのです。
さらに、水に浸けることは下駄本体が傷む原因にもなります。
絶対にお勧めしません。お気をつけくださいね。
おわりに
・動画でも掲載中◎
今回の「本格お直しボンド付け方法」と「応急処置方法」を動画でも配信中です◎
岡忠公式YouTubeにも掲載しておりますので、あわせてご参照いただければ、よりわかりやすいかと思われます。
・応急処置にはティッシュを常備!
出演時のハマどれなど緊急性のある状況では、「ティッシュ」と「水」さえあれば、応急処置が可能です。
応急処置方法はこちら
徳島の有名連の女踊りリーダーの方などは、たくさん在籍している踊り子さんの下駄のハマどれを想定し、ポケットティッシュを懐に忍ばせていることもよくあります。
1枚だけでも帯の隙間に忍ばせておくと安心かもしれませんね。
以上、下駄のハマどれの本格お直し方法でした!!
この記事がみなさまのお役に立てますと幸いです。