利休下駄のハマ(歯)はどうして外れるの?不良品?処置方法まで徹底解説!
阿波踊りの下駄のハマ(歯)、ぽろりと外れてしまったことはありませんか?
長年、阿波踊りに携わっていると、その場面を目撃したり、実際に直面したりと、経験されたことのある方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそもどうしてハマがとれてしまうのか?
不良品なのか?
今回は、利休下駄の構造・お直しの方法まで徹底解説させていただきます!!
目次
利休下駄の構造
・特徴は『差し歯』
阿波踊りで使用されている下駄は『利休下駄(りきゅうげた)』と呼ばれています。
この利休下駄、1つの木を削ってできているわけではなく『下駄台』と『ハマ(歯)』に分けて作られています。
下の写真のように「下駄台」に、2本の「ハマ」を差し込んでいます。
このように『差し歯』になっていることで、非常に頑丈な作りに仕上げることができます。
ハマだけに負担がかかりづらく、折れにくくなるのです。
・二種類の木材の使用でより頑丈に
さらに岡忠の利久下駄は、台の部分に「ひのき」、二枚のハマに「ブナ」の木材が使用されています。
耐久性に優れるひのきと衝撃に強いブナを使用することで、長時間の踊りにも耐える丈夫な下駄となっています。
どうしてハマが取れてしまうの?
木材は湿度により、膨張したり、収縮したりする性質があります。
湿気が多いと膨張し、乾燥すると収縮します。
台とハマの木材が収縮をした際に、木が痩せることで隙間ができ、ぽろっとハマが外れてしまいます。
つまり、これは「不良品」ではなく木材の性質上、 『すべての利休下駄で起こりうること』なのです。
対処方法について
ハマがとれてしまった場合、2種類の対処法があります。
①応急処置方法(緊急の場合)
「出演直前などで時間がない」緊急の場合の対処法です。
10分ほどで直すことができます。
▼詳しいご説明はこちらから
②ボンド付け(時間がある場合)
①はあくまでも「応急処置方法」です。
お時間がある場合は、ボンド付けをお勧めいたします◎
▼詳しいご説明はこちらから
③下駄自体を水に浸けるは逆効果!?
巷でまことしやかに受け継がれている
「新品の下駄を水に浸けこむ」という方法・・・
実は、これ・・・逆効果なのです。
確かに、水に浸けこむことで「下駄台」と「ハマ」の両方の木が膨張するため、最初の内はかなり効果的です。
しかし、乾燥すると木は収縮し、痩せます。
痩せると隙間ができ、結局はぽろりと外れてしまうのです。
さらに、水に浸けることは下駄本体が傷む原因にもなります。
絶対にお勧めしません。お気をつけくださいね。
おわりに
・動画でも掲載中◎
対処法の「応急処置方法」「ボンド付け方法」を動画でも配信中です◎
岡忠公式YouTubeに掲載しておりますので、あわせてご参照いただければ、よりわかりやすいかと思われます。
以上、下駄のハマどれについてのまとめ記事でした!!
この記事がみなさまのお役に立てますと幸いです。