【応急処置編】下駄のハマ(歯)が外れた場合
下駄のハマ(歯)、ぽろりと外れてしまったことはありませんか?
長年踊りに携わっていると、目撃したり、経験される方も多くいらっしゃると思います。
目次
下駄のハマが取れるとは?
そもそも、下駄のハマが取れるとはどういうことか???
はじめてこの現象に遭遇された方は、とても驚かれることと思います。
不良品などではありませんのでご安心ください。
「ハマがどうしてとれるのか?」
気になる方は、別ページにてご紹介しております。
利休下駄の構造のご紹介はこちらから。
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本日は、応急処置の方法をご紹介させていただきますね。
出演前に下駄のハマがとれた!!!応急処置方法をご紹介!!!
大事な出演前、下駄のハマがぽろり・・・
出番まであとわずか!考えるだけで青ざめるシーンですね。
しかし、なんとなんと、ものの30分、いえいえ、慣れてくると10分たらずで、直すことができちゃうのです。
・用意するもの
・ティッシュ 1枚
・水 少量
なんと、たったこれだけ。
応急処置方法ということで、水は容器に入れなくても、トイレなどの水道水を蛇口からそのまま使用も可能です◎
(今回は、撮影用に器に入れています。)
※今回、鼻緒が付いていない下駄を使用してご説明しておりますが、
鼻緒は外さなくて大丈夫です◎
・応急処置の手順
①ハマの部分に水を含ませます。
写真でいうと、木の地肌が見えている部分。
あまりビショビショにしてしまうと木が膨張し過ぎるので、少しずつ。
表、裏、てっぺんの部分、3か所に水を含ませます。
②ティッシュをかませます。
1枚のティッシュを4つ折りくらいにして、ハマに折り込みます。
ティッシュの大きさにもよりますので、画像の感じになればOK◎
神経質にならなくても大丈夫ですよ。
横幅は、ハマより少しはみ出すくらいの大きさでOK。
③ティッシュにも水を含ませていきます。
少しずつ少しずつ。
3面に含ませます。
④下駄台に、ティッシュをかぶせたハマをはめ込んでいきます。
水を含んだハマは膨張してきますので、結構な力で差し込んでいきます。
手ではめられない場合は、少し差し込んだ状態で、地面などに叩きつけます。
※ハマが欠けないように注意。
※手ぬぐいやハンカチなどを地面に敷き、その上で叩きつけるとアスファルト直よりは安心です。
※台とハマがずれないようにだけ慎重に。
⑤余分なティッシュをちぎります。
下駄からはみ出ている余分なティッシュをちぎります。
前後、ティッシュをちぎり、完成です!!!
これだけで、木が膨張する上に、ティッシュの厚みで台とハマの隙間ががっちり埋まるので外れません。
がっちりと噛みこんで外れませんので、台とハマがずれないようにだけ慎重に。
とっても簡単なこの方法。
昔は、口伝えで伝わってきていた方法です。
しかし、今回ご紹介したのは、あくまで「応急処置方法」です。
時間がある時やご自宅などに一度持ち帰られる状況の際は、「ボンド付け」をお勧めいたします。
ボンド付けの方法はこちらから◎
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下駄自体を水に浸けるは逆効果!?
巷でまことしやかに受け継がれている
「新品の下駄を水に浸けこむ」という方法・・・
実は、これ・・・逆効果なのです。
確かに、水に浸けこむことで「下駄台」と「ハマ」の両方の木が膨張するため、最初の内はかなり効果的です。
しかし、乾燥すると木は収縮し、痩せます。
痩せると隙間ができ、結局はぽろりと外れてしまうのです。
さらに、水に浸けることは下駄本体が傷む原因にもなります。
絶対にお勧めしません。お気をつけくださいね。
おわりに
・動画でも掲載中◎
今回の「応急処置方法」を動画でも配信中です◎
岡忠公式YouTubeにも掲載しておりますので、あわせてご参照いただければ、よりわかりやすいかと思われます。
・踊り子さん、リーダーの方はティッシュを常備!
今回の記事にて、「ティッシュ」と「水」さえあれば、応急処置が可能であることを知っていただけたと思います。
水は、屋内でも屋外でも阿波踊りをご披露するような場所では、比較的、手に入りやすいかと思われます。
(トイレなどの水道、飲み水など)
つまり、ティッシュさえ常備していれば怖いものなし。
徳島の有名連の女踊りリーダーの方などは、たくさん在籍している踊り子さんの下駄のハマどれを想定し、ポケットティッシュを懐に忍ばせていることもよくあります。
1枚だけでも帯の隙間に忍ばせておくと安心かもしれませんね。
以上、下駄のハマどれの応急処置方法でした!!
この記事がみなさまのお役に立てますと幸いです。