阿波踊り衣装の「仕立て方講座」
より美しい阿波踊りの衣装を仕立てていくため、和裁経験者の方を対象に「仕立て勉強会」をひらきました。
阿波踊りの衣装は、ふつうの着物の仕立て方とちがい、踊りやすいように考えられた独特の寸法があります。
連や着付け方によっても、細かく仕立て寸法がちがってきます。また、神経を尖らせるのは柄と柄を合わせて縫う、柄合わせ。
そして、女性着付けの艶やかな後ろ姿を演出する衿のくりこし…
デザインの複雑性が増していたり、女踊りの衿くりこしが大きくなっている傾向があったりと、阿波踊り衣装にも時代ごとに流行があり、その流行や変化をよみとり、柔軟に対応していく阿波踊りの衣装づくりは、和裁を経験していても、慣れるまでは難解なところ。
ふつうの和裁とは勝手がちがうので、参加者の方からはたくさんの質問が飛び交い、実演では、縫製スタッフの熟練されたミシンさばきに、真剣なまなざしが注がれていました。
「仕立てる側にとっては、何十枚の内の一枚。だけど、お客さんにとっては、自分だけの大切な一枚。」
「どれだけ綺麗にデザインしてくれていても、どれだけ綺麗に染めてくれていても、最後の最後、仕立てによってすべてが決まってしまうんよ。綺麗なデザイン、綺麗な染めを、美しく着てもらうために、大切に縫わなければ。」
今回の勉強会の講師をしてくれた熟練の縫製スタッフによる、やわらかくも凛とした言葉に、岡忠販売スタッフも身が引き締まります。
会長はじめ、スタッフは、この言葉1つ1つに、技術だけでなく、心の面でも、支えられているなと改めて感じることができた、いい時間になりました。
岡忠の阿波踊り衣装の仕立てには、1枚1枚、縫製スタッフの熱い想いが込められています。