三味線用品徹底解説!『音緒』の選び方・取り替え方
本日は三味線の「音緒」につきましてご紹介させていただきます。
「音緒」とは?
音緒は「ねお」と読み、
三味線本体と糸を繋ぎ、三味線の音にも関わる重要な部分です。
下写真の緑のマルの部分が音緒です。
・組みひもの技術
豆知識ですが、実は音緒を解くと1本のひもに!
日本特有の組ひもの技術により作られています。
なんともオシャレで粋ですよね。
・「音緒」の意味と役割
「緒=いとぐち、はじまり」という意味があり、音緒と書いて「音のはじまり」という意味がこめられているのでは・・・と密かに、岡忠の三味線担当は解釈しています。
音のはじまる大事な部分なので、ここが擦れてくると、三味線の音のひびきに影響が出てきてしまいます。
下写真は古く擦れてしまっている音緒。
古く色褪せてきたり、ぱさぱさとけば立っていたら交換どき。
音緒が伸びて軟くなってきたら、お取替えされることをお勧めいたします。
「音緒」の取り替え方
糸の付け替えの手順と同じです。
・糸の外し方
まずは、すべての糸を緩めます。
たっぷり緩めた方が作業がしやすいのでお勧めです。
「音緒」を三味線本体から外します。
すぽっと抜き取ります。
糸を外します。
※音緒を三味線本体から抜き取る前に、糸を外しても◎
音緒を下写真のようにほぐす(広げる)と糸が取りやすいですよ。
・糸の付け方
新しい音緒を三味線本体に装着します。
※今回は同じ音緒を使用しています。
※説明だけなので、三味線の1の糸だけを外して、取り付け写真を撮影していますので、2と3の糸が付いた状態になっています。
音緒に糸を下写真のように差し込みます。
この時、長めに差し込んだ方が後の作業がやりやすいですよ◎
下写真のように、糸をくるりと上に重ねます。
この輪っか部分も大きい程、後の作業がやりやすいです。
輪っかをそのまま音緒にかぶせます。
下写真でいうと三味線の胴の方向にくるっと折り返す感じ。
(上に重ねていた糸先が下にきます)
糸をきゅっと引っ張って、完成!
図で説明するとこのような感じです。
「音緒」の素材・選び方
「音緒」には大きく『正絹』と『人絹』の2種類があります。
・正絹の特徴
扱いやすさでお勧めは俄然『正絹』です。
正絹は人絹と比べると、糸を掛けた時の滑りにくさが特徴。
初心者の方程、正絹の方が気軽に糸の付け替えができるかもしれません。
金額もぴんきりで、プロの方が使用するような5000円を超える極上の正絹もあれば、2000程で購入できるリーズナブルなものもあります。
・人絹の特徴
前述しましたが、糸を掛ける際には滑りやすいので、少し扱いには工夫が必要になるかもしれません。
が、なんといっても安さが魅力。
1000円以内で購入できるので、気軽に音緒の付け替えを楽しむことができます。
「音緒」でコーディネートを楽しむ
音緒には、正絹・人絹問わず、たくさんのお色があります。
胴掛けと合わせると、三味線がぐっとオシャレになります。
お上品な藤色×藤色のカラーリング。
お衣装と合わせて、カラーリングしてみるのも粋。
真反対のお色を持ってきてもワンポイントとなり、おしゃれですよ。
ぜひお気軽に音緒の付け替えを楽しんでみてくださいね。
今回の投稿がそのきっかけになりますと幸いです。